【S嬢の場合】だってせっかく来てくれたのに全然喋ってないから・・・

【S嬢の場合】タカポンの横顔ってなんかいいよね

【S嬢の場合】今日何時まで飲んでるの?終ったら連絡するからご飯いこ

【S嬢の場合】あの子はあんまり関わらない方が良さそうだ

 

 

ある日の夜S嬢から電話がきた

S嬢「タカポン元気?」

タカポン「お〜S嬢どうした!元気やで〜」

S嬢「声が聞きたくなっただけ〜笑」

タカポン「俺のこと大好きかよ!笑

俺の心鷲掴みにしてんじゃねぇ〜」

 

これと言って用事があるわけでもなく他愛も無い会話をして電話を切った。

 

そしてその日からほぼ毎日のように電話が来るようになった。

 

もちろん札幌にいないことはわかってるので、最初のうちはその日にあったこととか本当にただの世間話が中心だったけどそのうちお店での出来事やお客さんのことなんかも話すようになってきて、K嬢に関してのことも話すことが多くなってた。

と言っても別にお店やお客の悪口とか愚痴とかは絶対に言わない。
ただ、K嬢の勢いがすごくて不安というようなことはよく話していた。

やっぱりS嬢もナンバー1としてのプレッシャーがあるみたいだった。
社長さんが指名していた元ナンバー1のホステスさんからもかなり期待されていたのでがむしゃらに頑張いて十分にそれに応えていたように思えた。
でも意識高い系ホステスだけに実際には毎日が戦いであって胃の痛い日々を送っていたようだ。

そんなのナンバー1ホステスなら当たり前じゃんと思うかも知れないけど、20歳そこそこの子にはキツイというのもわかる。

さらにここへきてK嬢の売上がもうすぐそこまで迫ってきている。

 

その日もS嬢から電話がきた

S嬢「タカポン、今月末にK嬢バースデーなんだよね・・・ヤバいかも」

 

K嬢は枕営業でガンガンお客を増やしていたのはこのバースデーに向けてのことだということがわかった。
ある意味K嬢も意識高い系ホステスだと思うけど、このバースデーに全てをかけているらしい。

すすきのでは珍しくホステス同士がばちばちにやり合ってるのに少しだけ興味をそそられた。
もちろんS嬢を応援はしているけど、お店に行く事もできないので売上に貢献することもできない。

というかタカポン程度がお店に行っても大した貢献はできないのはS嬢もわかってる笑

 

この時にS嬢の売上を支える超太客が3人いて、そのお客さんの話も少しだけ聞いていた。
そして、そのうちの1人は実はタカポンも面識のある人物だった。
※S嬢はそのことを知らないけど。

 

 

月半ばになってK嬢のバースデーに伴う客も増えてきたようだった。
まだこの時点ではS嬢の方が売上があったが、月末のバースデーを考えると相当なアドバンテージを持っていないと抜かれてしまうのは必至。

珍しく焦っていた。

 

タカポン「S嬢はいつも通りやってれば良いよ」

S嬢「そうだよね」


K嬢が裏でマクラしてるというのもおそらく知っているだろうと思い、S嬢はそんなことをせずに自分らしくやってほしいというエールの意味でそんなことを言ったと思う。

 

だが、その直後S嬢を狂わす出来事が起こった!!

 

 

S嬢の太客の1人がなんと指名替えをしたのだ。

 

 

ホストと違ってホステスさんの場合は他の子を指名をしても別に問題はない。
ただ、同じお店で別の子を指名するというのはそれほどあることではないし、ましてや常連の太客となるとよっぽどのこと。

 

まあ想像できると思うけどそのS嬢の太客はK嬢のことを指名するようになった。

 

 

この件によってS嬢のメンタルはかなりダメージを負ってしまった・・・
その後も毎日のように電話は来ていたし、電話できない時もLINEは来てたが日に日にテンションも下がっていくし、ネガティブな発言が多くなっていた。

当たり前だよね、逆の立場だったら絶対に耐えられないなと思ってたが、それでもナンバー1としての意地とプライドでS嬢はお店に出て必至に接客を続けていた。女は強いなと心底思った。

そんなことがあってもS嬢はK嬢に対しての悪口などは一切言わなかったのが本当に凄いなと感じたしホンモノのホステスなんだなと思った。

 

 

 

 

 

仕事の関係で次の週に札幌へ行くことになった。

 

札幌での仕事もけっこう忙しかったので、S嬢のお店には行ってないが例の社長さんと仕事の打ち合わせをすることになったので、打ち合わせが終ってからご飯を食べに行く事になった。

そこで社長さんにS嬢の現状についてもちらっと話したのだが、なんと社長さんは神のような対応をしてくれるのだった!

 

社長さんが指名していた元ナンバー1のホステスさんはもう引退していたので、S嬢のお店にはもう行ってなかったみたいなんだけどなんとS嬢指名でお店に行ってくれたらしい。しかもフリーの部下を何人も連れて。

 

特定の女の子指名をしているお客さんが連れてくるフリー客は枝というらしいのだが、その枝客が場内指名とかをしなければ連れて来た全員分の売上は指名嬢のものになる。

お会計が割り勘だろうが1人で支払おうが関係なくその卓全ての売上が1人の指名嬢のものになる。
その中の1人が場内指名をすれば二等分、2人が場内指名をすれば三等分という感じになっていく。

社長さんもその辺はわかっているので連れて来た部下はみんなフリーで飲んで行ったみたいだ。

 

後からS嬢に聞いただけなので詳しくはわからないけどVIPルームでほぼオーラス。シャンパンもけっこうな数を入れていたようでその日だけでかなりの売上を作ってくれたそうな。

 

 

 

 

 

そしてK嬢のバースデー週間がやってくるのであった。